博物館めぐり記

博物館の常設展・特別展などをお伝えしていきます.

大混雑!! GWの茶の湯展@TNM, 東京国立博物館

 GWいかがお過ごしだったでしょうか?T.Nakajimaです.

各社,暦通りに休日を取っているために9連休となりました (私が無能で面接や面談に呼んでもらえていない可能性もある).

茶の湯展へ出陣!!

ということで,茶の湯展のレポートです (5月5日).

8時過ぎから5月初頭とは思えない暑さ... 先行きが危ぶまれます.

 というのも,東京国立博物館で行列にならない特別展はないからです.開館に間に合わない...

 

案の定並ぶことになりました.しかし,最近は熱中症対策だからでしょうか,テントもあり,日傘の貸し出しもあり,給水所ありと,非常に至れり尽くせりでした.その上,列が進むのも意外と速かったので,さほど並ばずに入館できました.

 

第1章: 足利将軍家の茶

見どころは,やはり唐物です.特に,静嘉堂文庫所蔵の稲葉天目は黒山の人だかりとなるのもうなずける美しさでした.これで私としては藤田美術館蔵の曜変天目に次いで2つ目の鑑賞です.

実は数日前に三菱一号館で稲葉天目の映像を見ていたのですが,いかに美しく再現できるといってもホンモノには太刀打ちできないということでしょうか.気軽に見に行けるという点では一号館美術館いいのですけど...

東洋陶磁美術館所蔵の油滴天目は大阪の所蔵元の方が見やすいので,今回はパス.こういう判断ができるようになったのは,自分自身の成長ともいえるかもしれません.

また,梅花小禽図は写実的で,非常に美しかった... 茶掛けにするものなのでしょうけど,個人的には図譜のようなもので仕立ててあったら美しいのではないかと思いました.

青磁は非常に美しいものがたくさん出ていてしばらくはいいかなぁ... 小学生の時以来あまり見ることがなかったと思われる青磁茶碗 銘 馬蝗絆でしたが,親が金接ぎに凝り始めたおかげで,すげぇ... と思いました.金の鋲でくっつけるなんて...という感じ.

 

第2章: 侘茶の誕生

私としては雨漏茶碗ぐらいしか記憶に残らないぐらい人がたくさんいた.雨漏茶碗,見立ては素晴らしいけれども,いまどきあれが売っていたら不良品だよな...という感想に終始.美術を見る目がないってことかしら...

 

第3章: 侘茶の完成

茶入れの仕覆が美しい... 正倉院裂というのだろうか,絣のように柄が入ったものなどは特に私の趣味にかなうものである.仕覆を作ることも茶人の心得と微かに記憶があるが,いざ作るとなると裂もいいものを... となって難しそう.

この中で最も驚いたのは,永青文庫蔵の南蛮芋頭水指でしょうかね.何と見事なたとえではないだと思います.まさに,サトイモのような形をしているのです.茶人が知識人階層であったことを示すよい証拠であろうと感じました.江戸期になると知識人は山野草から薬,古典から芸能まで様々なことに通じていたようですし,茶人=知識人という理解はあながち間違えではないかと.

 

第4章: 古典復興

茶入の仕覆が美しいのはもちろんであるが,瀬戸茶入の銘のつけ方もなるほど,と思わされるものが多かったです.個人的には,湯木美術館蔵の瀬戸茶入 銘 横嶽 などは釉薬の白い部分が山のごとく見えることが由来だろうな...と思いましたが,そのつけ方に嶽の字を充てるとは... という率直な感想しかなかったです.

美しいは正義.

その他に何もなかったわけではないですが,私は茶碗のどこがいいのかわからないとても残念な人なので...

 

第5章: 新たな創造

本来時間をかけてみるべき展示だったと今更思う部分.でも... 交趾大亀香合などの見物がなかったから (すでに展示期間すぎています)...

そのため,藤田氏や松永氏の業績について見る時間として活用しました.

現在の芸術への支援が少ない端緒?

私自身の彼らへの感想として,確かにさまざまな古物の収集に努め,日本から海外へ逸出しないように努められていたことは非常に尊敬に値することであると思います.日本から流出した美術品なんて山ほどあるわけで,彼らがいなければなくなっていたわけですから.

それでも,今の時代から考えるとこれだけでは不十分だったのかもしれないという部分もあります.

というのも,彼らの興味対象はあくまで古物であったのです.そのため,茶に関わる新たな芸術家の育成へスポンサードしていた部分がゼロではないにしろ,非常に小さかったのではないでしょうか(原三溪氏は別かもしれないけど)

戦前の日本の美術品は非常に素晴らしかったと私は思います.それこそ,村田製作所の村田氏が収集しているぐらいですから.

でも,戦後はどうでしょうか? 財閥解体後,一時はこれほどのことができる資産家はいなくなってしまいました.

 

でも今は違いますよね?

 

いますよね,資産家.

彼らは芸術ではなく,教育に私財を使っていますけども.教育だけではなく,芸術にもこういった方々が私財を使っていただけるような社会になることを切に願います.